慶應通信でのぼやき

慶應通信文学部3類(英文学専攻)に所属する意識低い系ニートの備忘録。主に自分の恥レポートを晒して四苦八苦している人の手助けをするよ!

「ロシア文学」の不合格レポート

ロシア文学不合格レポート

今回は「ロシア文学」の不合格レポートをご紹介いたします。前に合格レポートを紹介しましたが、「大変問題のあるレポート」と太鼓判を押されました。(根に持ってる人)つまり不合格レポートはもっと酷かったてこと!なので今回は不合格レポートを公開して処刑して成仏して頂こうと思います。

噂の不合格レポートです

プーシキンスペードの女王における主人公ゲルマンはロシアに帰化したドイツ人の若い工兵士官であり、彼の父が残した僅かな遺産にはほとんど手を付けずに労働で得た給料で慎ましい生活をしていた。トムスキーはゲルマンについて、彼はドイツ人であるため倹約家なのであると言うようにもまた倹約、節制、勤勉が自分の三枚の勝ち札であると述べている過度とも言える倹約家であるにも関わらず、近衛の騎兵士官のナルーモフの宅で行われたカルタ大会にて、ゲルマンは5時間以上も、カルタの勝負の行方を無我夢中で見ていたことからゲルマンには金銭に対する強い欲望と野心が見てとれ、(1)「人間や社会の全ての価値がことごとく金や社会的地位で定められている時代にあって、ゲルマンの如く自尊心の強い人間にとっては、金のないために受ける屈辱は耐えがたいものであっただろう。 

ゲルマンはトムスキーから自分の祖母が、父の兄弟も、孫も知らないの秘伝を使ってヴェルサイユで開催されたカルタ大会にて大金を勝ち取った話を聞き、「お伽噺さ」と指摘しながらも興味を持つ。その秘伝は、チャプリツキ―が起死回生を図る場面でのみ伝えられた。ゲルマンは、この秘伝を聴くために80を越えた伯爵婦人の情人になることまでも考えるゲルマンは過度な倹約家でありながらも、自身のの独立と安楽のために金銭による野心を秘めていた。しかしながら、根っからの賭博好きである反面一度もカルタ札に触れた経験がないのは「余分な金を手に入れようとして、入用な金を投げ出す身分ではないと自分が一番理解していた。しかし、三枚のカルタ札の話密かな野望を抱いていたゲルマンを刺激する起爆剤となった。 

翌日ゲルマンは、ペテルブルクの大通りにある古い邸宅の前を偶然通りかかる。門衛に邸宅の主の名を聞くと、例のカルタの老伯爵夫人であった。ゲルマンは驚きながらも、再び例のカルタの話を思い出しその夜に彼は、カルタと大量の金貨の夢を見た。そのまた翌日ゲルマンはペテルブルクをさまよっていると、導かれるように老伯爵夫人の邸宅に辿り着く。すると窓から若く美しいリザヴェ―タ・イヴァーノヴナのうつむく姿を目にた。この出来事が彼の野望を掻き立て、老夫人から秘伝を聞き出すことを計画し、実行することを決意させたきっかけになる 

はじめにゲルマンはリザヴェ―タの手に恋の思いを綴った手紙を握らせた。その手紙はドイツ小説から引用した継ぎ接ぎであったものの、ドイツ語を知らないリザヴェ―タの心を動かしてしまう。後日彼は再びリザヴェ―タに逢い引きの誘いを綴った手紙を寄越す。リザヴェ―タはこのような経験がほとんどなかったため、ゲルマンに対して極めて純粋な恋心を抱くようになるが、男の気の早さに呆れて一度は突き放そうとする。しかし、ゲルマンの思いは止まらず、一日も欠かさず彼女の元に届けられ、もはやドイツ小説からの継ぎ接ぎではなくなり、迸る思いの丈を綴ったものとなりついにはリザヴェ―タも返事をするようになった。そしてリザヴェ―タから老伯爵夫人が参加する舞踏会の誘いを受けるという、またとないチャンスがゲルマンに巡ってきた。リザヴェ―タからは十一時半に来るようにと言われたが、ゲルマンは十時になる頃は老伯爵夫人の邸宅の前にいたことから彼の精神が興奮状態にあることが分かる。 

ゲルマンは十一時半になるとリザヴェ―タとの約束を蔑ろにし、門衛のいない隙に玄関に入る。高価な家具や代物が多くある居間を抜け、伯爵夫人の寝室で彼女の様子を伺う。ゲルマンは突如として伯爵夫人の前に現れ、カルタの秘伝を問いただす。しかし彼女は冗談だったという以外は一貫してゲルマンの問いには答えない。ゲルマンは伯爵夫人に向かって誰のために、札の秘伝を守り通すおつもりなのです。お孫さんのためにですか。お孫さんは皆、それがなくとも金持ちです。お金の値打ちを知らぬ人たちです。懇願する。裕福な孫たちというのはトムスキーのことであるが、ここでは貧しい自分がお金の価値、有り難みを一番理解していることを強調し、老伯爵夫人の慈悲の心に訴えようとする。しかしそれでも口を開かない老伯爵夫人に耐えかねたゲルマンは銃口を彼女に向け終いには殺してしまう。 

リザヴェ―タはゲルマンからの情の込められた手紙は、決して恋によるものではなく金銭欲とう賎しいものからであることに気付き絶望してしまう。ゲルマンは、伯爵夫人の亡骸を目の当たりにし放心状態であるリザヴェ―タに対して同情をするどころか、今となってはカルタの秘伝を聞き出すことが二度とできなくなってしまったことに絶望している。ゲルマンはその後に開かれた伯爵夫人の葬式に参列するが、弔う気持ちというよりは、伯爵夫人の怨霊に祟られるの避けるためである。信心はないくせに迷信深い彼の性格が如実に浮き彫りにされている場面である。そしてゲルマンは伯爵夫人の入った棺桶を覗いた途端、伯爵夫人の目が開いたのを見て気絶してしまう。その夜は、胸の疼きが収まらず珍しく酒を飲んで深い眠りについた。その晩ゲルマンは、伯爵夫人の亡霊がリザヴェ―タを嫁に取ることを自分を殺した事への赦しとして、またカルタに二度と手を触れないことを条件としてカルタの秘伝を伝える。そして、「三」、「一」の三枚の札をゲルマンに伝える。 

 

 浅岡宣彦氏によれば、(1主人公ゲルマンの金銭欲を煽った根底は社会的な不平等でありスペードの女王』は作者の「秘かなる悪行と苦しみ」の過去ではなく、作者の同時代の社交界の風俗が描かれており、プーシキンはこの作品をフランスの18世紀の社交界と比較して描いている。ロシアの社交界はフランスのサロン文化が深く関連しており、(2)エカテリーナ二世がフランスのサロン文化を導入して以来、十九世紀初めには、この文化が貴族社会に定着し、連日連夜、どこかの屋敷や荘園で晩餐会や舞踏会が催された。詩人や作家が自分の新作を最初に披露するのも、サロンにおいてであった。(中略)談話や議論が夜中の三時、四時、ときには朝の六時まで続くのがつねだった。スペードの女王』の冒頭の舞台設定は、早朝であった。 

 

講評

当時の私は相当疲れていたんでしょうね。このレポートからもよくみて取れます。

  • 大半が物語のあらすじになっている
  • 自分の考察がない
  • 特に最後の文が意味不明で怪文書

こんな所でしょうか。。。しかし、なんと言ってもロシア文学参考文献が少ない。仕方ないんです。だって研究者自体が少ないんだもの・・・・・・。このレポートを書いて学んだこと

  • 先行研究は網羅する気持ちで探す
  • 自分の意見に一番近い先行研究をベースにレポートを書く
  • 自分の意見を裏付けする先行研究を探す

です。これは卒論にも通ずるところがあり、先行研究が少なすぎるテーマは卒論指導する教授がいない場合もあるので注意です。(もちろん先行研究がありすぎるのもよくないそうですが)

 

新版 ロシア文学案内 (岩波文庫)

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